男たちの歌
ふと、あの歌が歌ってみたい、と思い出した。歌いたい、なんて、僕にはとても久しぶりの感覚だった。
2013年、アメリカに行ってTaos Pueblo でセレモニーを観た。ビーズで編まれた美しい靴を履いた男たちが列を組んで、地面を踏みならしながら、うたを歌っていた。
そのうちの1人、恰幅のいい威厳のあるひとりの男性に、言いようの無い憧れを感じた。どちらかというと自分は、繊細で柔軟な人に憧れるところがあるから、あの出会いは意外な感じだった。でもとにかく、あの風景、あの声に… 確かに魂を揺さぶられた。そのなつかしい振動が、久しぶりに、地面から僕の身体に響いてきている。
そう思ったきっかけは、久しぶりに『虹の戦士』の一節を開いたから。
自分にとって大切な態度… 自然や共時性に対する感受性が豊かで、この地上に堂々と存在し、互いの存在を、最大限に尊重している人間の像。自分にそれを見せてくれるのは「ネイティブアメリカン」の人たちの文化であることが多い。日本人に生まれたので、あちらとこちらと分けて考えていたところがあるけど。今日ふと、地球の仲間の一員として、その文化から学ぶのは自然なことだと素直に思うことができたのが嬉しかった。