言葉にならない7月
7月はずっと閉じていた。
なにかが閉じているときは、
別の方向へ開いてるはず。
うまく言葉にできない時間が続いて
でもそれはとても重厚な時間で
私というものの輪郭が
意図せずにどんどん広がって
自分の意識がそれについていけないような
そういう時間だった。
なに言ってるのか
分からないかもしれないけれど
自分にはほんとうにそういう感じだった。
私、と呼んでいるものに、
しがみつこうとするんだけれど
ぼろぼろとはがれおちて
必死でもう一度掴んで
それでもはがれおちて
それでももう一度掴んで
やっと真ん中にあるものを抱きしめた
と思ったら
そのまま それと一緒に宙を落っこちて
もう一度地面から、這い上がるように
ぼろぼろとはがれおちる壁に 手をかけては、
少しずつ進んで
だんだん意識が遠のいていく
そういう感じがする
そんな7月だった。