道ができるまで
道路ができる前に、車が走りはじめた。
けもの道ができる前に、動物がいた。
声が出る前に、喉がひらいた。
なにかの動きや経路が顕在化する前には
かならず、その道を通るなにものかが
生き動きはじめている。
その軌跡が定着するまでには時間がかかる。
けれどルートが無いからといって
その動き始めたものを否定することなく
あたためて、みがいて、育てて
あきらめないことだ。動かすことだ。
もしもそうやって30年待った末に
想像した風景とは違う道が開けたとしても
そこに命が動き出すならば
それを認める態度を自由と呼びたい。
無条件の信頼と希望をもって送り出したい。
いま、たくさんの友人たちが日本中で
まだ道のない生命を育てていることを
本当に心強く感じている。
みんな、がんばろうね。