SENSE OF PRESENSE – 世界は響きあうからだ –

人間と自然をつなぐ芸術–art–へ向かって。感覚・表現・交感のゆたかさを探求する旅のノート:松井雄一郎

風が届く

久しぶりに、自然に瞑想した。なんのためでもなく、どこにもいかずに、ただ座って、この身体にちゃんといて、呼吸して。眼をあけたら夕刻の空の変化があって、また眼を瞑って、バスの音も鳥の声も同時に聴いて、ふと友だちのこと思い出して、またここの呼吸に戻って。ただそれだけのことだ。できるだけのことをして。なるようになればよい。
自分の部屋の窓から眺める、小さいが凛とした美しい山が好きだ。そこにある木々が好きだ。いつだって、そういうものを眼で追っている。彼らは、いつもそこで呼吸している。先の心配したり見栄をはったりしないで、風を受けて、自分の場所にいる。そういう樹々に触れた風が、山から吹いてきて、私に届く。

星々の言葉に耳を澄ます

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今朝、ハトの夢を見ていたら
なぜか家のなかに鳥の羽根が。

ならば、次のイベントのお知らせを。

7月7日、大阪:星ヶ丘学園の
「七夕祭」において
ちいさな感覚と対話の場
『星々の言葉に耳を澄ませる』をひらきます。



小学校の夏休みの自由研究のこと。
はじめての自由研究だったと思うな。
3,4年生だったかな。

僕は星空をつくりました。

黒い紙に、針で
夏の星座のとおりに穴を空けて
箱に貼ってなかに
電球をひとつ入れて。

暗い部屋でつけると
きれいだった。

じつはその経験が
ずっと僕の空間感を
つくっているところがあって。

たくさんの星があるけれど
その向こうには
ひとつの大きな光がある
という感覚

たとえそれが太陽のような
おおきな立体だったとしても

それもやっぱり穴の一つで

穴の向こうから
大きなエネルギーが
溢れ出している

そんなふうに僕は
ずっと世界を捉えてきて
いたんだということに

最近になって気がついて

なんていうのかな
ホッとしているところがあります



僕は対話の場づくりを
大切な仕事として
取り組んでいるのだけど

言葉にも
それに似たところがあって

ゆっくりと耳を澄まして
誰かの話を聴いていると

時間や空間に穴があいて
あるいは箱から紙が外れて

黒い紙の向こうの空間から
言葉が届いてきているような

その空間のひろがりに
一緒にいられる瞬間があって

あるいはその時間が
持続することがあって

そういうときにぼくは
わたしたちの魂の風景を
ともに見ているような
心地になって

その空間をともに
歩いているような気がして

わたしとあなたという
時間と空間がつながって

私たちがともに居ることを
思い出せるというか

その言葉はいまも
たしかに響いていることに
触れられるというか

その時がここにもあるような
身に時が浸みてくるような

言葉も感情も身体も風景にも
穴があいて

その向こうの光に
触れられるような

そんな心地に

なるのです。

そして

その扉をひらく鍵は
私たちの存在そのものなのだ

と、いま私は感じています。




7月7日の星ヶ丘という
奇跡のような場所で

星の瞬きのような
一点の穴のような時間に
なればと思います。



よかったら一緒に
星々の声に耳を澄ませてみませんか。
http://hoshigaokagakuen.net/tanabata2017/

 

このイベントには
&NIGAOE のショウタツくんに
声をかけてもらいました。
彼の素晴らしさはいつかまた紹介したい。

音楽家 青木隼人さんの
『紡ぎの演奏会』で始まり

僕の心の朋のひとり
文筆家で建築家の町田泰彦さんが撮った映画
『ハトを、飛ばす』の上映が中心となり

その後、私の
『dialogue : 星々の言葉に耳を澄ませる』

そして
火を灯す人 河合悠さんと
青木隼人さんによる
『キャンドルナイト』

Food & Drink もとても楽しみ。
そんな七夕の夜。

ぜひみなさまのご参加を。
お待ちしています。

 

 

●日時:2017年7月7日 金曜日 12:00〜19:00頃 雨天決行
●参加費:「七夕上映会・演奏・対話の会」3,000 円 【予約優先】

 

●場所:星ヶ丘洋裁学校
〒573-0013 大阪府枚方市星丘2-11-18
京阪電車枚方市駅で京阪交野線に乗換「星ヶ丘駅」下車 徒歩3分
※公共交通機関でのご来場、ご協力お願いします。

●上映会・演奏・対話の会ご予約・お問い合わせ
E-Mail:info@sewing-g.com(ソーイングギャラリー 原田)

Tel: 072-840-2476

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piano ライブのお知らせ

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p i a n o ライブのお知らせです!

仕事の山は一

合目を越えました(遠い目)。

そんな合間にですが、ひとつお知らせを。
明日(!)6/4 ひとりでピアノを弾きます。

『へっぽこ音楽会』というライブに参加。
6/4(日)13:30〜
@一乗寺ケパサキ(茶山駅を東に徒歩5分)
入場1000円

出番は13:30~15:00のあいだの予定。
20分ほどの演奏かな。

参加のきっかけをくれた
やぶくみこさんのfacebookから
説明をコピペすると

 上手な人、日頃ギャラもらっている人は
 出演不可、という条件。
 ヘタでも音楽を楽しんでいる人や、
 プロのミュージシャンの場合は
 専門外の表現で出演します。

というもの。

私は、デザイナーだけどピアノ枠(自称)
ということでフライヤーをつくりまして
ピアノを弾きます。

これから、人に聴いてもらえる場で
ピアノを弾くことをやっていきたいと
思っています。プロの音楽家ということではなく
自分のアートワークの一環として。

ピアノと私についてはあらためて
ゆっくり書きます。

明日、お近くの方、もしよければ
いらしてくださいね。

1ヶ月くらいピアノ触れない状態で挑みます。
こないだオルガンには触ったけど。

しばらく前のピアノの練習を公開してみます。
なにかの曲を練習しているわけではなく
気分のままに弾いているだけ。

たぶん明日のライブも練習 か 瞑想 in public
みたいな感じになると思う。

隣の家からピアノが聴こえてくるような
そんな気分でぼんやり聴いてもらえたら。

 

soundcloud.com

川が蘇る日に

その日

とうとう川が干上がった。

なぜそうなったのか

理由を知るために

若者は上流へ向かった。

上流は美しい森で

みずみずしい場所だった。

かれた川の上流には

おおきな湖があった。

湖から川へと

水が流れ出すところに

大きな、枯れた木が倒れて

水の流れを堰き止めていた。

正確には、枯れた木に

小さな葉っぱや細かな枯れ枝や

そういうものがどんどん

積もっていって

隙間のない大きな堰が

出来ていた。

若者は堰を崩そうとしたが

表面の枯葉を手でどけたところで

状況は変わりそうになかった。

途方にくれていると

1ぴきのビーバーがやってきた。

若者は彼に事情を話した。

ビーバーは

若者がある約束をするならば

この堰を崩そうと言った。

若者は、その約束を守ると言った。

ビーバーは水中へと潜っていき

とうとう、最初に倒れた木の幹を

歯でかじり割った。

堰の真ん中にあいた穴から

水が川に流れはじめた。

最初は少しの流れだったが

たまっていた水の

すべての重さがその穴へ向かい

とうとう堰は

大きな音を立てて崩れて

水が川に踊り流れ込んだ。

以後、その川の水が

かれることはなかった。

さて。

若者はどんな約束を

したのでしょうか。

思考と感覚のフィールド(仮)

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すごく個人的な感覚の話。

粗い出来事って
粗い思考のフィールドにしか
のせられない感じ。

正確には、出来事を
粗く認識している時は
というかんじ。

そのフィールドだと
あんまりスピードが
出せないかんじ。

状況をもっと細かく砕いて観て
というか、写真の像ではなく
網点を観るような感じで全体を観て

もっとスピードの速いフィールドで
処理していくような感じにすると
いっきに全体の動きが良くなる感じ。

そういうときはとにかく
直線的・量的な言語と思考を
外して見渡していくのが
僕には大事みたい。

でも、結局のところ
扱うことや意図が変わらなければ
本質的なスピードには
限界があるようにも感じる。

もっともっと自分の感覚で
どんどん探って進んでいける領域に
踏み込んでいきたいところ。

対話のメディアになる

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たまった仕事を全てカバンに詰めて
明日は岩手県・遠野にて

Next Commons Lab
のみなさんとワークショップ。

「対話のメディアをつくる」
というタイトルです。

実際には、自分たちが
対話のメディアに「なる」

という感覚にプログラムの焦点を
定めつつあります。



それは、自分のなかに
誰かと共有できる・
伝えあえる・響きあえる
対話と交感のスペースを設けることです。

そこには「正しいこと」だけではなく
まだ言葉にならない感覚も置くことができ

評価やノルマの意識は
手放していることができ

個人の考えを「ぶつけあう」のではなく
相手に「くっつきすぎて」自分を見失うのでもなく

自分の感覚を正確に感じたり
相手のことを共感的に感じたりしながら

次の瞬間を迎えられるような
そんな可能性が開けてくる空間です。

もしも、そのやり取りのなかで
あるときは間違った方向に進んだとしたら

「間違った方向に進んでいると思う」
と言うことさえできれば

私たちはあらたな航路を探ろうとすること
航路や目的地を変えることができます。

そういう、人と共有するスペースを
自分たちのなかにもてるんだ、という実感を
一緒に探っていきたいと思っています。




私の場合は、そういうことを
○○○法 などの、単一のメソッドを
共有することで実現するのではなく

紙をまるめてみたり
相手の話をきいたり、話したり
ごはんを分かち合ったり
音に耳を澄ませたり
呼吸や身体の状態を観察してみたり
いろいろな感覚をつかいながら
深めていきます。

こう書いてみて思うことは
これは、私の生き方、そのものだ
ということです。



背景には、私がこれまで集めてきた
いろいろなジャンルの経験があります。

・美術やデザイン、音楽の経験
(色・かたち・空間を扱うこと)
・造形と対話のワークショップ
・エンカウンターグループやカウンセリング
・ミーティングのファシリテーション
・象徴・イメージを扱うこと
・編集やライティング
・身体ムーブメント
・表現アートセラピー
・ボディワークやエネルギーワーク

などなど…。

美術教育やデザインの
15年以上の経験を土台にしながら

これらのいろいろな学びのエッセンスを
大切に集めてきました。

それを咀嚼して統合していくフィールドが
私にとっての「芸術」だったのだと思います。

本来、芸術は
評価する/されるためのものではなく
そのなかを、それとともに
生きるものだと思います。



私には伝家の宝刀のような
「メソッド」はないけれど

だからこそ 常に丸腰で

自分の感覚を手放さずに
この世界にひらいて生きていく

そのことにおいて

私は自分が生きてきた
これまでの時間と経験を
信頼していますし

いま、みなさんに
共有できることが
あると思っています。

この感覚にあるとき

私はこの身ひとつで
この世界を生きていける

そう思います。

ずっと求めていたその感覚を
やっとみなさんと分かち合えるのが
とても嬉しいです。



次のオープンなワークショップは
5/27 土 六本木にて
満員御礼:「しあわせとしあわせを行き来する」
http://matsuiyuichiro.hatenablog.com/entry/2017/05/20/000336
信岡良亮くんとやります。

 

workshop 『しあわせとしあわせを行き来する』のこと(2)

信岡良亮+松井雄一郎
workshop session

『しあわせとしあわせを行き来する』

2017 5/27 土 17:00–21:00
東京都内・六本木にて

 

記事の末に申込ページへのリンクがあります。
(定員になりましたので募集を終えました)



大切な友人、信岡良亮くん
Ryosuke Nobuoka と

なにか一緒に場をひらいてみようよ
と言って話しているなかで
彼が話してくれた
「動的幸福」という言葉。

僕らは理想的なバランスの
固定された食事を
毎日いただくのではなく

いろいろな食事を選びながら
日々の幸せな食卓についている

というようなことを
陰陽五行の話をまじえて
伝えてくれた。

たしかに、そうだなあと、思った。



私はこれが好き
と決めてかかると

それ以外のものに触れている時間を
十分に感じれなくなるようなところが
思考の性質にはあると思う。

とはいえ、いつでもどこでも
全ての瞬間に
目の前のことを愛している
って言おうとするのは

too passive な受け身の理想論
にすぎないかもしれないから

じゃあ
自分にとっての心地よさ

いくつかの安心できる
楽しめる、受け取れる、
発揮できるエリア

そういうのを見つめて
見渡してみるところから

自分なりの幸せの地図が
できていくのかもしれないな

その空間を移動しながら
生きている感覚をもてたら
素敵だな

そんなことを
彼と話しながら感じました。

ささやかなことでもいいから
「いま、こうしていたい」
の連続として

あるいは
自分の心地よいあり方を
移ろっていくものとしての私。

自分の心地よさや幸せの感覚と
その地図を描いてみるような時間

身体や言葉などの表現をつかいながら
その広がりを遊んでみるような時間を
つくります。

初めてのテーマでのプログラムですが
豊かな時間になりそうです。

間際のお知らせになりましたが
定員を見直して、少人数での開催です。

ぜひ、ご一緒ください。



信岡良亮+松井雄一郎
workshop session

『しあわせとしあわせを行き来する』

2017. 5/27 17:00–21:00
会場:東京・六本木駅より徒歩数分
定員:先着8名(定員を見直しました)
参加費:5,000円

申込方法:

以下よりお申し込みください。
https://www.reservestock.jp/events/189820